詩人:どるとる
春の指先が 見えるとき 小さな爪ほどの桜の花びらが 舞いながら 踊る 道を行こう陽射しの中に見つけた光 差し出す手のひらを すり抜けて 落ちた 閉じた瞼に よみがえる光 それはいつか見た記憶の景色春の囁きが この耳に届いたら もう冬は終わり きれいな色の 花がこの瞳を染め上げる涙が頬に やがて 花びらに 変わり戯れ画用紙に描いたような 春が ざわめき立つ。