詩人:aria
女らしくなれって
器用な君の指先が
蝶々むすびを施した
右に同じって
不器用なあたしの口がとぼけて
すぐにうつむいた
この肌が小麦色に焦げるころ
君は届きそうもない
空の下
言いたくて言えない
言葉の裏側
一瞥もくれず
笑って手を振った
かたむすび
閉じ込めたものは
目も当てられない
弱い自分
あっさり
ほどけてしまって
つなぎ止められなくて
かたく結ばれていた
両端をもてあそんで
もう笑うしかないの
この胸が後悔にくれるころ
君は遠い遠い
空の下
言いたくて言いたくない
気持ちの真ん中
受けとめて
滲んだ背中を見送った
かたむすび
ほどいてくれた君は
蝶の羽根だけ
置いていった
かたむすび
ほどけないものは
君とあたしで
ありたかった