詩人:さみだれ
路地裏にいるあいつ
あいつは村八分にされた
みんなあいつをいじめた
石を投げて
あいつには居場所なんてなかった
親しいものもいない
あいつの頭の中には
ガラスの檻しかなかった
お前らは言う
孤独であることを誇らしげに
孤独であるがゆえに救ってほしいとさえ
あいつはクリスマスの日にも
石を投げられた
あいつにはもう声らしい声はなかった
ただ頭を抱えて
メサイアは
世界に数人足らずしかいない
そしてそれはここにはこない
神の声が聞こえるなら
本当に聞こえるなら
あなたはここに来て
あいつを抱き締めるはずだろう
あいつは動くことをやめた
声を出すことも諦めた
希望も、捨てた
視界を閉じて
あいつはガラスの檻に入った