詩人:猫の影
残った傷痕をなぞるように過去を目蓋の裏にあぶりだす切ないほど気持ちよく僕は笑いその隣には君がいる君の残像を愛でて足りない部分は苦痛で埋めてマゾヒスティックなやり方で少し自棄なのかもしれないそれでいいと思うあり得た未来を下手なタッチで描き出しては破り捨てるそのチクリとする執拗な痛みが心地よいのか足は一歩も前に出ない悲劇的に自己愛的な生き方をしている