詩人:山鳩
哀しみという地平線に 秋の陽が沈む哀しみを捨てに海へ行けば 忘れ去られた歌が流れていた哀しみをひとつコーヒーに溶かすのは すっかり忘れてしまいたいから哀しみの星をひとつずつ数えて 夜空を宝石箱にしてしまいたい哀しみは毒りんご 皮を長めに剥いてください哀しみはタバコの煙 ひとりぼっちが好きだから哀しみは忘れた頃にやってくる