詩人:高級スプーン似
きみとふたりで
喜びは二倍に
悲しみは半分に
だれかのうたであったけど
そんなの奇跡
ひとの痛みは簡単に
分け合ったりは出来なくて
ひとの幸せなんて
素直に喜んだり出来ないし
卑屈な自分を嫌いになって
涙を流して
ストレス解消
自分でどうにかするしかなくて
明日を報せるアラームを止めるため
差し出される手は己の手
隣で眠るきみは
起き出す頃にはもういない
泣いていたのは昨日のきみで
笑い合うのは次のおやすみ
奇跡がひとつも起きない奇跡
他愛のない望み少ない日常から
その先にある死が来るまで
すれ違っては生きていく
それでも時々
手をつなぎ
きみとふたりで
どこかへ行けたら