詩人:猫の影
甘いスコッチが
舌の上で薫りだけ残して
去って行く
ピリリとアルコールが皮膚を焼いて
誤魔化すようにピーナッツ
ずっと好きだったみたいなんだ
貴方に言えればどんなにかいいだろう
ずっと好きだったんだ
言葉にできればどんなにか素敵だろう
隣で貴方は仕事の話
煙たいバーボンは
鼻腔の中をふわりとまわって
去って行く
胸を焦がすことも
貴方に触れることも
できないままにカラにする
ずっときっと好きだったの
言ったら全部おしまいになるよね
きっとずっと好きだったよ
だからこれからもずっと好きなまま
隣で貴方は女の話
ねえずっと好きだったよ
多分これからも好きみたいだよ
きっとずっと、
ずっときっと、
隣で貴方は笑ってる