詩人:どるとる
もう言葉にならないから 黙ったままでいるよいつまでも続く戦争にいつまでも終わらない気怠い授業に追われ 追われ また追われそんな僕らの暮らしを呆れたような顔で眺める猫の瞳で観る世界はさぞかしくだらないだろうあくびをひとつ そのか細い前足で 何処へ行くというのかただ僕は窓越しおまえの白い毛並みを見ていることしか出来なかった夕暮れ あかね雲誰かの帰り道手を振る二つの影遠ざかるさよならの声…あとにはただ 恐いくらいの静けさがやがて来る夜を待っている。