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詩人:未知
淋しさをそっと羽にして
かきあつめ翼にできたなら...
飛んでいくよ遠くはるか
抱きしめにゆくよ
この空の下で凍えている
誰かもまたぼくとおなじ
踏みだすきっかけが欲しいとき
背中をさするやさしい指に
痛みをなでるやさしい愛に
一瞬だって救われる
こともあると身をもって知った
世界は慈愛に満ちては
いないかもしれない
だけど絶望ばかりでも
ない気がしている
どうかまた思いだして
あの鮮明な夢の色
いまはとにかく生きていて
抱きしめにゆくから
待っていてほしい
ちいさな灯りを胸にともすように
色づきはじめた日
終わりでも始まりでもない
ながいながい延長に
運命を引き寄せて