詩人:甘味亭 真朱麻呂
誰かを傷つけそうになるたび
心が破けそうに痛くなる
他人を労ろうとする気持ちは
あなたにとっては邪魔にしかすぎない
「大きなお世話」とあなたは私の助けを遮った
いま僕の世界に
降っているのは悲しみの雨
冷たくしょっぱい誰かの涙
いつかのあなたのゴツゴツした冷たく大きな手のように
町中を濡らしていく
傘の上にはじけて
地面に落ちる雨粒
曇った空の向こうに見える晴れの兆し
あなたの存在しない町に降った雨はもうじき止むだろう
儚い気持ちともどかしい気持ちを残したまま。