詩人:さみだれ
俺は溜め息をひとつ
お前は欠伸を
会話なんてない
必要ないさ
雲がちぎれる
片方に嫌気がさしたのだろう
きっとそんなところだろう
隣のベンチでは
同僚を殺している男
滑り台の上では
同級生をレイプした小学生
向こうに見えるビルには
部長との不倫に溺れる女
バス停に佇むのは
今から死にに行く奴
はたして俺は何者だろうか
血塗られたカミソリをもって
同じく血塗られた性器をもって
狂ったような目をしている
愛憎に狂ったような目をしている
お前は何も言わず
俺もまた何も言わず
周りの目はこんなに冷ややかに
俺たちの虜に