詩人:もとり
この白く濁った有害物質を吸い込み
喧騒とした雑踏の中に少しずつ溶かしていく
醒めた瞳で辺りを見回せば
引きつった笑顔を貼り付け
同じような虚ろな瞳で
夢物語を語ってる様に 反吐が出る
軽く舌打ちをし
残りの煙草に手を伸ばせど
中身が空なのに気付き
潰して円を描くように投げ捨てる深夜二時
夢すら持てなくなったのは
いつからだっけ
人を信用しなくなったのは
いつからだっけ
どうでもいいことを
ぐるぐると頭の中で行ったりきたり
どうせいつかは
みんな死んじゃうのにね
語ってる夢や希望といった類も
死んじゃえば 皆同じなのにね
適当な言葉でするりと交わして
雑踏の中へ自分も溶け込んでいく
今日も未来に希望を
持てないまま
すぐそこにある幸せすら
見いだせないまま