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もとりの部屋


[56] はぐれ狼
詩人:もとり [投票][編集]



この白く濁った有害物質を吸い込み

喧騒とした雑踏の中に少しずつ溶かしていく



醒めた瞳で辺りを見回せば

引きつった笑顔を貼り付け

同じような虚ろな瞳で

夢物語を語ってる様に 反吐が出る


軽く舌打ちをし

残りの煙草に手を伸ばせど

中身が空なのに気付き

潰して円を描くように投げ捨てる深夜二時




夢すら持てなくなったのは

いつからだっけ

人を信用しなくなったのは

いつからだっけ



どうでもいいことを

ぐるぐると頭の中で行ったりきたり



どうせいつかは

みんな死んじゃうのにね


語ってる夢や希望といった類も

死んじゃえば 皆同じなのにね


適当な言葉でするりと交わして

雑踏の中へ自分も溶け込んでいく


今日も未来に希望を

持てないまま


すぐそこにある幸せすら

見いだせないまま






2014/05/27 (Tue)

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