詩人:慎也
翠の龍の如く正しく泛ぶ
オーロラの棚引く夜
闇に吹き荒れる疾風の如く躍り出た赤い鷹
鷲掴みにしたのなら
そこでエレキテルは暴れだす
生み出たものスベテ
真実に変わり果てる
そう虚構さえもスベテ
うそは無論
真実さえもスベテ
闇に惹かれそして
迷い込んで来る
故に美化された過去は騙りだす
蠢く血汐を例にあげると自ずと見えてくる
世界を疑うその心
それを奪おうとする鷹の爪
それが最期の妙薬だった事
そんな事も知らず
毒薬だと勘違い
今日も明日も笑い焦がして誤魔化す
他の心臓を濫用する程の
愚かな技量をも持たず
己を動かすのは自分だけではないと謂う
此処まであがって来れたなら
ようやく病院の中だったという事実に気付けたのではなかろうか
もしもその境地に達しているのならば問題はない
心配無用そのうちにエレキテルの音色は変貌を遂げる
その内に昇降機のスイッチ斬って墜とせばいいってだけの話だ
曖昧な心理を信じる事なく済む
完璧な人生を歩む事なく棲む