詩人:どるとる
夜は 流れるものです
夜は 漂うものです
夜は 夜は 形あるものじゃないのに
僕の中で 闇は次第に形になって固まる
重たいドアを こじ開けて孤独を解き放つ
僕は冷たいノブを回して 部屋を開け放つ
そこには 誰も知らない痛みがあり
誰も知らない悲しみの名前を 誰かがしきりに呼んでいる
「大丈夫」という言葉は 案外 身勝手な言葉です
慰められた人は置いてけぼり 悲しみだけが残されたまま
闇の中には どんな声も届かないのに
気安い 手だけ伸ばしても意味はない。
2014/08/06 (Wed)