詩人:阿修羅
流れていくのは、幻か
薄れていく存在に手を伸ばしても
届かない事を知る
涙はその他のなにものでもない
吐き出せても
同情をかっても
僕を救うものにはならない
ましてや、
抱きしめるものになんか
部屋の隅で泣いている
見つからないように
声を殺して泣いている
気付かれないように
その癖が、ついてしまった
感情表現がうまくいかない
もどかしくて、苛々して
何かを利用したくなる
甘い言葉に弱くなる
嫌いだ
私も、お前も
依存、は何も生まない
だとすると、此れは愛ではないのか
言えない
こじれるから
しんどくなるから
黙っていよう
私、は私だ
ただ、それだけは誰も
入り込ませないように