詩人:ナナエ
ひとりで立ちたくて
自分から手を離したんだ
それは今でも
間違いじゃなかったって思ってるよ
でも甘かった
もし立っていられなくなったら
また掴まればいい
そう思って振り返ったら
もう手はなかった
掴んでいた時
目の前には
たくさんの手が差し伸べられていて
君の手じゃなくてもいいから
そう思って顔をあげたら
僕ひとりだけだった
ずっとひとりで立ちたかった
きっと君の手を最初に掴んだ瞬間から
そしてかすかに思い出す
君の手を掴む前もこんな景色だった
結局同じことを繰り返すのか
もしここで違う誰かの手が現れたら
すぐにその手を掴んで
すぐにその手を離したくなるだろう
そしてその手を掴むと同時に僕は
君も何も全て
忘ているのだろう