詩人:千波 一也
もともとあてになる眼ではないけれどそれでも夕陽の色彩くらいは心得ている川辺は 減速を始めている木立は 瞑想を始めている鳥達は 安息を始めているあきらかに夕陽の時刻あしたへと向かうはずの赤はわたしの知らない方向とは逆へ真逆の道へと向かっている夕陽が堕ちるともなってわたしの行く先はまだまだ 過去絵はがきとして誰かに渡っていったはずの過去夕陽が堕ちるわたしはまだまだ眠られない