詩人:千波 一也
ねぇ、アリス
貴女が居なくなっても
この世界は続くと思っているでしょう
ここは たまたま落ちた夢の国
だから
たまたまなんて
二度と起きたりしないのよ
ねぇ、アリス
貴女でなければならないの
不思議も 魅惑も 恐怖も 郷愁も
貴女らしさの為にあるのよ
でも、鍵は渡しておくわ
こちらの国の扉には錠なんか無い
あちらの国の扉のために
その鍵を
なかなか勇気のいることでしょう
ねぇ、アリス
この国にも例外なく
永遠は約束されないわ
ねぇ、アリス
そのことだけは忘れないでいて欲しいの
だから、鍵を渡しておくの