詩人:千波 一也
埠頭に群れなすカモメはすべて哀しい心のなれの果て船は今日も出てゆくのだ海は広いというのにのぞきこめない瞳の深さをもって船は今日も出てゆくのだ乗れない者と手を振る者とうつむく者とその鮮やかすぎる不幸について船はいつか振り返るだろうか船は行ってしまった埠頭に群れなすカモメはすべて哀しい心のなれの果て