詩人:タンバリン
心のパジャマを脱がずに
体を綺麗に洗ったら
電信柱のかげを通り過ぎ
君の所へ行く
電信柱のかげは口の軽い男で、
影を残さない変わりに
スキップを続けろと言う
彼女はやめていなかったし
本当に僕も続けた方が良いのかも知れない
電信柱のかげはこつこつと、色々な出来事に情緒や風情を名付けている
スキップを勧めながら
電信柱のかげは、一度も悪さをした事がない
靴をぶっきらぼうに揃えて
僕は君の部屋に入っていく
花瓶の花を替えながら、君は好きな色の話をする
テーブルランプに透かされた美しい影は、
僕を曖昧な気持ちにさせる
かげの名付け札は決まって
立ち止まらなければ見えないところに置いてある