詩人:和泉
出せず仕舞いの手紙いつの間にか手から消えていてお元気ですか で始まりでは また で終わるまたなんて叶わない夢なのにそれは離れた時間のせいなのだろうかそれでも決って最後を飾るのはその言葉で八十円切手もいつを最後に買わなくなったのだろう宛先はまだ覚えていて眼を瞑ってでも書ける自信があることが余計に悲しくてもう使わないレターセットで引き出しは閉まりきらなくて出せず仕舞いの手紙を探す勇気もないのです