詩人:望月 ゆき
悲しかったことも苦しかったことも忘却の彼方だ今では もうデパートの屋上から 夕陽を見ても電車の窓から あの坂道を眺めても涙も でない大切なものに 出逢えたことに感謝さえ悲しいことや 苦しいことばかり続くわけではないそれでも ときどきなつかしさに 胸が痛んだら帽子のつばを すこし下げてあの丘で 泣こう