千波 一也の部屋
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[85293] 良かれ、とついた嘘
詩人:千波 一也
少女のために
空き地のために
泥靴のために
良かれ、とついた嘘
自分の肩幅もかえりみず
良かれ、とついた嘘
あの頃は
そうでもしなければ
苦しくて
自分の足でも踏み潰せそうなものを
置き去りには
出来なくて
良かれ、とついた嘘は
毎夜の潮騒
治りかけの傷ほど
かゆくてたまらない
良かれ、とついた嘘は
毎夜の潮騒
2006/09/09 (Sat)
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