詩人:十六夜月
そうです。
それは、光も差さない位のとても深い闇。
それに勝てた者は数少ないとされる闇です。
光を司る者も、闇を制する者も。
光だけでは足りないのです。
闇だけではダメなのです。
勝てないのです。
どんなに偉かろうが、どんなに強かろうが。
『無明の闇』、
それは−…
死への恐怖。
行き場のない苦しみ。
私達のすぐ隣に居るモノ。
それはまるで私達の影。
何時でも、何処にでもついてくる。
私達はその影に
何時か食い殺されるように死ぬ。
私が死ねば奴も死ぬ。
そんな関係。
勝てますか?貴方は。
考えてください。貴方が死ぬところ。
無明の闇にうち勝つには、
恐怖もなく死ねるのは、
闇が晴れないと無理でしょう。