詩人:ぴるぴる
欲しかったモノがあった
ずっとずっと
もう記憶の底に埋まってしまうくらい昔から
欲しかったモノがあった
それは
時を隔てるごとに大きくなり
時を隔てるごとに強くなった
だけど
それを得ることが
どういうことなのかわからなかった私は
「欲しい」と想った分だけ
自分の手の中から落ちていく
自分が得ていたモノを
無くしていることがわからなかった
これまで造りあげてきたモノが
音を立てて壊れていくことに
気がつけなかった
欲しかったモノがある
ずっとずっと
欲しかったモノ
しかしそれは
自分が得ていたモノを
失うほどに
本当に欲しいモノだったのだろうか?
そこまでして手に入れたとして
それで私は満足できたのだろうか?