詩人:壬治
すこし震える指で靴紐を直した約束も何もない未来に清々しさすら感じてこの一瞬が余りに美しいから。月明かりが照らしている夜小道のつづくその先に待つはずの結末を期待したりしてまた泣いた。勘違いしないで心残りなどないよあるとすればそれはたぶん幻なんだよありったけの夢を詰め込んで船出命の意味を知りたい。天が色づくような空気が甘いようなこの頃の前兆にふたりはもう気づいてる。