詩人:山鳩
君の前では
素直に笑顔ができない
なぜか身構えてしまって
それが理想?なんて
君はすぐ口にするけど
理想主義で潔癖で
血液型からは想像できないほど
整理整頓された財布のなか身
僕の言葉の語尾が直ぐに気にかかる
茜色に染まる街並みに
スーツ姿の君は
さっそうとヒールの靴音立てて歩く
地下鉄の駅の入り口で
じゃあねの手を振れば
その自信に満ちたほほえみに
僕のこころのどこかに
寂しさを残してゆく
もう秋ゆく街
通り過ぎる人ごみにまぎれて
背中丸めてポケットのチケット
探してる
2007/10/26 (Fri)