詩人:さみだれ
お姫さまは言いました
"あなたの背ほどの木になりたい
それからあなたとたくさん話をして
同じ高さの空を見たい
何年たっても変わらない
あなたと長生きしたいの"
と
庭の木は静かに語ります
"あなたの背ほど小さくなれば
僕は早死にしたっていい
あなたと同じ高さの空を
少しだけでも見てみたい
その少しを目に焼き付けて
あなたが去ってしまったあとの
生きる糧にしたいんだ"
春の柔らかな風が
お姫さまの髪をふわりと
しかし
その木の高さには届きませんでした
2012/12/06 (Thu)