詩人:千波 一也
こころの機微をおひとつ、どうぞ
かわりに今後もよろしく、どうぞ
わたしの背後のあれこれの
言い尽くせないあれこれの
混じり気のない よろず味
恥ずかしながら母の味わい
ほんのりかおる、沖の凪
およばずながら父の味わい
わずかにみえる、頂の風
いってまいります、御先祖さま
みていてください、御先祖さま
錦をもとめて、こんにちは
錦をもとめて、さようなら
縁の円舞に遠慮は要らぬ
さぁさ、
そのさきそこまで
手と手を結んでみませんか
こころの機微をおひとつ、どうぞ
かわりに今後もよろしく、どうぞ