詩人:どるとる
蝉しぐれの雨の中
僕は空っぽのまま
ふと見上げる空の向こう 光を探してた
変わらない街並みの
変わらない風や匂い
少しずつ変わってく時の流れに少しだけ切なさ滲んで
ミンミンと鳴いている
蝉の声はまるで
ほんのひとときだけの儚い命を精いっぱい謳うように
夏の青い空の中でもほらね 少しも色あせることなく あちこちから聞こえます
幻のような 泡沫の夏休み
誰かの影揺れて 鼻緒切れて しゃがみ込む 背中に聞こえる花火の音
目には映らず形のない 夏が今 笑いました。
2015/06/13 (Sat)