蝉しぐれの雨の中僕は空っぽのままふと見上げる空の向こう 光を探してた変わらない街並みの変わらない風や匂い少しずつ変わってく時の流れに少しだけ切なさ滲んで ミンミンと鳴いている蝉の声はまるでほんのひとときだけの儚い命を精いっぱい謳うように夏の青い空の中でもほらね 少しも色あせることなく あちこちから聞こえます幻のような 泡沫の夏休み誰かの影揺れて 鼻緒切れて しゃがみ込む 背中に聞こえる花火の音目には映らず形のない 夏が今 笑いました。
[前頁] [どるとるの部屋] [次頁]