詩人:さみだれ
私は
海を見下ろし
失った心の奥を
チリン、と鳴らすのです
海面を縫うように
光が揺れたり
魚がはねる度に
波紋が遠い国まで
誰かを運んでいるのだろう
そういう
背の高い
広い気持ちが
音を出しているのです
また
空では雲がもつれ合い
太陽を怒らせています
しかし
私はその一幕にすら
音を聞いている気がするのです
私たちが作り上げた概念が
なんの意味も持たないのが
時の流れと言うものでしょう
今吹く風が
声をかけてくれる
そんな心の音を
私たちも奏でましょうね
2013/01/02 (Wed)