詩人:ゆなぎ
空ばかり見上げた
消えていった灯は
この灰色の空に
還るのだろう
銃声がやんだ
消えていった灯に泣く
ぼくらはどこへ
還るのだろう
全てを奪われた 心
全てを奪った 罪
繰り返す連鎖は 解けないまま
呪いのような 叫び
誰のための正義か
誰のための争いか
わからないまま
わかれないまま
過ちと気づかず
引き金に手をかけた
誰かを殺した手で
誰かを護ろうとした
全てを壊した手で
全てを創ろうとした
消えていった灯は
この灰色の空に
引き金を引いたぼくは
この赤色の空に
確かな傷痕を遺して
それぞれの空に還る
2010/08/13 (Fri)