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詩人:タンバリン
早口なんて言葉じゃないんだよ
彼女はもう二時間半も
蛇口みたいに喋っている
時計の見方も違う、二人の火曜日
洗濯機みたいに、彼女は泣いたり喋ったり、繰り返している
僕は、彼女の気持ちの表面を歩いている
型の合わないレンチで、蛇口を絞る様に歩いている
彼女の気持ちの表面に、大きなコブを見付けて
時計は9時半。もう帰るのにも良い頃合い。
僕はそのコブをゆっくりと撫でて
彼女はやっと帰り支度を始める
まるで時計の針みたいに、
そこからは僕ら、規則正しく離れていく。
僕も、君も、生きる事を急ぎ始めている
時計の針が、近づいてしまう前に
僕も車に乗って、夜のパジャマを着込んでいく。