詩人:夕凪
道端に寂しく転がる
空き缶を
拾い上げたら少し
優しくなれた ‥
いつもうまく
伝えきれない
感謝だとか
後悔だとかを
空き缶みたいに
捨てようとしたって
結局 誰かが
そっと拾い上げて
行くべき場所へ
運んでしまうから ‥
泣かずには
いられないんだ ‥
進まずには
いられないんだ ‥
宙ぶらりんの心が
降り立つその日
僅かばかりでも
今より優しく
あれたらいい ‥
道端に落ちてた
空き缶を
綺麗に洗って
水を注ぐ ‥
そこに花を一輪
挿して
優しい響きの
名前を付けた ─‥。