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中村真生子の部屋  〜 「海辺のブランコ」への投 票 〜

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[175429] 海辺のブランコ

詩人:中村真生子

海辺でブランコをこいでいた。

上にスイングすると真っ青な空が広がり

下にスイングすると澄んだ海が広がり

美しい景色に

この上ない幸せを感じた。

それからブランコをおりて海に入り

しただめ(小さな巻貝)を取った。

イギリスの海辺なのに

「なんだ、日本の海辺と

変わらないじゃないか」と思いながら。

そんな夢を見た。

夢に出てきたあの場所は

海辺にブランコなどはなかったが

まぎれもなく

夏になると毎日のように遊んだ

故郷の石浜だった。

空は青く、海はどこまでも澄み

子どもの声で賑わっていた夏の遊び場の…。

海辺でブランコをこいでいた。

上にスイングすると真っ青な空が広がり

下にスイングすると澄んだ海が広がり

美しい景色に

この上ない幸せを感じた。

あの時、確かに幸せだったのだ。

幸せとは何かということなど

考える必要もないほどに…。




2012/04/03 (Tue)
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