詩人:どるとる
よこしまなる願いが波紋のように夜に広がった
どれだけの人たちの涙や笑顔を 一身に抱いている
この街の片隅に咲いた ちっぽけな命は 宛もなく生きる
泳ぎ疲れたら たまには弱音も吐きなさい
そんな優しい言葉を本当は聞きたいんだ
誰だって 悲しみを 1つくらい抱えてて
身を捩らせるような思いで 生きてるんだ
水面に差す光 それを希望と呼ぶには
些か 不用意
不確かな推定は 終わらない 息継ぎをするまもなく朝が来てしまう
絶え間ない流れに 舟は逆らえず 行き着く夜明け
答えがあるなら それは イエスかノーだけのつまらない解答
空欄を埋めたり補うだけの答えなら心はいらない
感情のない動作でとっとと終わらせる
色のないはずの世界でもきれいに咲く花
命は命のあるべき姿のままそこにあって
体のいい箱なんかにおさまらないんだよ
計算の行き届かない世界の話をしよう
常識からまず目をそらして
電気を消そう 暗闇の中で交わす会話
見えない筈の心が呼吸している程近く
目を閉じたような世界の中にも光が
耳をふさいだような世界の中にも声が
あるようで
誰だって 悲しみを 1つくらい抱えてて
身を捩らせるような思いで 生きてるんだ
水面に差す光 それを希望と呼ぶには
些か 不用意
不確かな推定は 終わらない 息継ぎをするまもなく朝が来てしまう
このまま世界が終わってしまう。