詩人:はちざえもん
絶望から端を発したあなたの物語は 歪んだ世界の真実と、それを打ち砕く現実の狭間 いつだって内包したまま、それでまたクルクル回っている。
生まれたことを嘆くのも
愛されて得る喜びも
過ぎし日には跡形もなく消えていく
それでも切望する。僕らの記憶
そっと手に触れて感じた温もりは 生きる物の熱源
孤独に震えるこの部屋で 確かに感じる36℃の熱源
喜びも悲しみも絶望も希望も あなたから放つ真実の世界
何の気なしに流れた日々も あなたを構成した一部分
無口な群衆を抜けて、息をつく三秒 色のない街に冷え込んだ朝だ。
白い息が宙を舞う。少しばかりそんな遊びに興じていよう