詩人:どるとる
夜の明かりがビー玉みたいにはじけた
遠くの街ではいつぞやの雨をまだ引きずってる
ためらいの言葉を浮かべたよ水面に
すぐに沈むけれど
電車の窓に映る景色がスライドみたいに 移り変わる
スナップフィルムの記憶が
通りすぎた思い出映し出せば
割りきれないことばかりだ
こんな毎日はもうたくさんだ
僕の下手くそなバタフライで
なるべく波を立てないように泳ぐ
つまらない 誰かが引いたレールの上を
ただなぞるように歩く日々の情けなさ
50メートル切ったあたりで息を切らして
息継ぎして見上げた世界にご満悦
「退屈も見方によっては幸せ」だと
気づいてしまった僕はもう岸には戻れない。