詩人:どるとる
遠い昔の人たちは 空を見上げるたびに
空を飛びたいと願ったという
羽根を 広げた鳥のように
両手を広げても 風ひとつつかめない
僕らは 空の飛びかたをどこかで忘れてしまった
まだ、アリンコみたいに小さな微生物だった頃に
最初の遺伝子が「人間になりたい」と願ったんだとしたら
僕らは飛ぶことより地面を蹴って一歩ずつ歩くべきだと笑う
そして大切なものを見つけるため生きるべきだと 思う
そして見つけたものがやがて宝物となって
君の心をいろんな色に染めてくれる
宇宙に思いを馳せた人たちがいた
昆虫や動物に心奪われた人たちがいた
僕らはどんなものに思いを馳せたりするのかなあ
まだ幼い少年の瞳にはこの世界がどんなふうに見えているのか
たくさんの夢を抱いて 「なりたいもの」に向かって歩いてく
そんな 旅に出る前の旅支度をしているのなら 涙も忘れず持っていけ
笑顔だけでは ままならない 旅になること 知っているなら
小さな 瞳 輝かせて
見上げる空には雲が流れて
目を閉じれば 幾億もの思い出が星のように心にきらめく
僕らは 空の飛びかたをどこかで忘れてしまった
まだ、アリンコみたいに小さな微生物だった頃に
最初の遺伝子が「人間になりたい」と願ったんだとしたら
僕らは飛ぶことより地面を蹴って一歩ずつ歩くべきだと笑う
そして大切なものを見つけるため生きるべきだと思う。