詩人:未知
沈黙を破るエンジン音
時々。少しだけ。怖くなる
白い煙で前が見えない
本当はいつだって...未来なんか見えない
君の傍では何かが違った
理性が理性であることを放棄した
呼吸の仕方や喋り方忘れる
どうしてくれようか
まやかしのような一日でした
雲の動きは予測不能でした
「とてもとても愉しかった」
きっとそれしか...言えない
煙草の熱で花を焦がすように
中毒患者は痛みの限度まで忘れる
私が受け止めればそれで済む
「急所をはずせばだいじょうぶ」
こんなにも惹かれてしまった後で
孤独と生きるのはむつかしい
けれど私が鳴かなければそれで済む
残酷で冷酷で狡い君
私は私の在り方を忘れた
私は私の生き方を忘れた
私は私の顔まで忘れた
私はあなたの背中しか見えない
私は私の性別を忘れた
世界は知らない色を持っていた
私は私の在り方を忘れた
私はあなたの背中だけを追う