詩人:どるとる
空に手を伸ばそうあの太陽にふれたい
本をめくるように始まった世界が
長い夜に終わりを告げまばゆく照らされる
夜明けの町には 光がこぼれる
キラキラと輝く宝石の雨
あれも欲しい これも欲しい なんでも欲しい
欲しがる気持ちに鍵を掛けよう 今
手当たり次第に すべてを欲しがる僕らを
あるものだけで満たされないままの心を
動かす欲望に 長い夢を見させてください神様
命の生まれた音を聴いたことがあるかい?
きっと空の神様も笑っていただろう
長い夢から覚めた君は本を読み始める
その本は人生という一人ぶんの物語
悲しい場面には泣いてうれしい場面には笑う
空から落ちた 種がやがて芽を出して
花になるように 心と体を持った
僕らにはあとなにが必要だろう?
僕らは少し 余計なものを欲しがりすぎたね
だから捨てよう 必要以上の欲望は
あれも欲しい これも欲しい なんでも欲しい
欲しがる気持ちに鍵を掛けよう 今
手当たり次第に すべてを欲しがる僕らを
あるものだけで満たされないままの心を
動かす欲望に 長い夢を見させてください神様
そして再び知らない誰かの物語が
名前も知らない町のどこかで始まる
本を読もう 広い世界を見渡そう
さあ おいで 何もない世界だけど
今日からここが君の世界。