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[190106] 優先席

詩人:どるとる


水が滴り落ちる音に気づけるだろうか たったひとつの命が

死にたいと 心から願う愚かさを
僕らは どんなふうに否定できるだろう

広すぎるこの街には 季節なんてないようで

生ゴミの臭いと曲がった 人々の背中

譲りもしない 電車の席
膝を擦る お年寄りを無視したような若者
優先席を 埋めるのはいつでも 学生

何がおかしいのかただ笑い転げて
辛そうにつり革につかまるお年寄りが
あきらめて前の車両に移る

その背中は何かを言いたげだったけど
僕には何も出来なかったよ。

2015/12/05 (Sat)
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