詩人:甘味亭 真朱麻呂
暗く音もない闇の中を飛びかう
貴女はまるで蛾のように
その甘いリンプンでどれだけの男をだましてきたの?
巧みな言葉と抜群のプロポーションで
どれだけの悪行を尽くしてきたの?
私にさえ貴女はウソをついた
私の羽をうらやましがって
貴女は私にカラダを赦したの?
何をそんなに欲しがっているのか
何がそんなに満ち足りないのか
貴女はいつも得られたもの以上のモノを求める
もっと…もっと…とあなたは私が差し出したモノ以上のものを欲しがる
まるで光を求め群がる汚らしい羽をひらひらさせながら
暗闇をさまよう蛾のようだ
貴女を見ていると
蛾を見ているようで
いつも吐き気がするんだ
それでも君への愛を絶やすことはない
それが蛾の貴女を愛してしまった
蝶としての私のけじめだから……。