詩人:花房優希
きっと私は眠りから目覚めない
いくら怒鳴られたって目覚めない、夢の世界
まどろみは苦しさを持て余して
淡い浮遊感に酔い痴れる
空も飛べると稚拙に信じてた
それは嘗て夢見たネバーランドのよう
自由な国を求めて駆け巡る
明日はいらない
今日がほしい
願いは儚く残酷で
信じることをしなかったのは
物語の終焉を分かっていたから
寂しんぼうだった私は今でも夢をみる
哀しみに染まった夢をみる
ピーターパンはケラケラと笑った
ティンカーベルは魔法をかけない
それは朝焼けを催すものか
夜明けが直にやってくる
それでも私は目覚めない
永遠の眠りのなかで、乾いた心で笑い続けるの
涙でぼやけた世界を、哂いながら
ずっとね
ずっとね
貴方の声で目覚めるときを、待っていたかった
きっと私は目覚めない