詩人:三歩
街の明かりが溶け始めた頃
僕は暗闇に追いつけなくって
どうやって家に帰ろうか
いつもそればかりを
考えてしまう
飲み歩くサラリーマンの群れは
きっと 今日で一番の笑顔と饒舌で
僕の背中を後押しし
歩幅を大きくさせる
「やっとみつけた」
バスストップにしがみつく
街の明かりは
星のない夜空ばかりを強調して
それでもつぶやく
「今日の日よ、
永遠にさよなら」
明日を探すのにも
昨日を振り返るのにも
今日という一日が
あまりにいつも未完成で
僕はまだ
そのどちらのタイミングさえも
掴みきれずに
分かったような顔して
歯磨きしながら
今日も生きてる