詩人:黒夢
半分の月が笑っている。
とても楽しそうに。
あるいは とても悲しそうに 哀しそうに。
形を変えていくそれは
いつまでもそのままでいられなくて。
久しぶりに半端な形のそれは 姿を見せた。
また 笑っている。
不安そうに 諦めたように。
誰も見てくれないから。
誰もが満月を望んでいるから。
でも僕は 今 空に浮かんでいるあの月を望む。
半分の形が 僕の心と似ているから。
もう半分を補ってくれる 誰かを待つのが
僕とそっくりだから。
僕は笑う。
月と一緒に。
2004/11/11 (Thu)