詩人:浮浪霊
時々、世界のあらゆる色が削げ落ち、自分が何故生きているのかさえ分からなくなる瞬間がある。(毛布に包まり小さくなって、彼女はぽつぽつと続けた)恐怖に捕われ詩おうと、逃れようと試みて、私は知るのだ。詩ツクることこそ無意味だと。何故なら産ツクることとは生きることであり、生とは虚無そのものだから。(彼女が震えてさえ居ないのが、私には恐ろしかった)