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[191057] 鬼の目にも涙。

詩人:IKUMI


母が泣いた。



「親不孝でごめんね。」



白い天井を見ながら言うと、
押し殺した声が聞こえた。



私には泣く権利もないから耐えた。



母はひたすら涙してた。



一向に回復したり悪化する私の身体には
もう限界が来ていた事を自分が一番よく
分かっていた。



「限界まで普通の生活がしたい。」



そんなワガママを聞き入れてくれた母。



あの男殺してやると涙して言う
母に思わず笑った。



…なんて、本当親不孝なんだろうか。



愚かな自分に腹が立つ。



周りを考えなかったあの頃の自分に
言い聞かせたい…



何やってんだと。
しっかりしろと…



神様、私に一人で乗り切れる勇気を
私に下さい。



幼なじみしか信用出来ない私に
勇気を下さい。



周りを頼らないと決めた。
どんなに辛くても頼らないと。
どうせ裏切るのは目に見えてるからと。



だから、一人で乗り切れる勇気を
最期に下さい。



母の為にも…

2016/03/05 (Sat)
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